冬越しに向けて
冬越しに向けて地味に作業をしている今日この頃。
寒くなり、みつばちも徐々に減っています。
なので2段だった巣箱はすべて1段にまとめて、はちが密集した状態にします。
が。
ベティとキャシーは1段にできたものの強群エイミーが1段にできない…。
巣箱を開けて枠を上げたりはしたけれど、はちが上下の段に広がっていてどうも1段にできる気がしない…。
もっと強い意志を持ってやるならやらねばと思うのですが、やろうとしている作業にいまいち自信がないのでどうしても弱気です。
しかしそういっているうちに今朝は少々霜が降りたので、もうぐずぐずしてはいられない!
というわけで。
やってみたらできましたよ…。
これで3群とも1段になりました。(時間かかったなあ)
エイミー群は強群ですが性格は優しいので刺されることはないです。(一時期は気が強かったけど。)
現在狂暴なのはベティ群。
ふたを開ければ即戦闘態勢です。
巣門前にキイロスズメバチの死体があることもしばしば。
そしてキャシー群は、ダニで弱体化しまくっているので冬越しできるか怪しいです。
さて。本格的な冬囲いをするのは11月中の予定です。
冬囲いについては養蜂家や地域によってものすごーくバリエーションがあり、本で読む知識よりは地元の慣行に従う方がよさそうなので、Kさんの指導に丸ごと従おうと思います。
本によると、巣箱を倉庫内に移動させるとか、発泡スチロールの箱をかぶせるとか、極寒地の冬囲いにもいろいろなやり方があるようですが、この2つの方法をKさんにちらっと話してみたら鼻で笑われましたよ…。
伊那谷式の冬囲いはどんなものなのでしょうか。
妖精舞踏音楽会
台風一過の日曜日、妖精舞踏音楽会にて、ぱん屋さんの隣でちょこっと出店。
11/3、八ヶ岳オーガニックマーケットワンダフルベジタブル@北杜市 高根クラインガルテンにて、はちみつ&みつろうキャンドル&たぶんひょうたん のお店を出す予定です。
日本みつばち祭り@中川村
日本みつばちのメッカ(?)中川村では、毎年秋に日本みつばち祭りなる祭りが催されます。
うちのみつばちは西洋みつばちですが、私としては日本みつばちにも興味津々なので、今年も行ってきました。
巣箱からはちみつを取り出す作業の実演。
網をかぶっているのは直接作業している方だけで、見物人は普通に覗き込んだりします。
最初に巣箱をトントン叩いて、奥の方にみつばちたちを移動させ、それから巣蜜をナイフで切り出します。(日本みつばちは、西洋みつばちと違い、巣枠式はあまり一般的ではなく、巣箱内に自由に作られた巣の一部を切り取り、それをざるで絞って採蜜することが多い。)
みつばちたちは箱の奥の方(写真でいうと右の方)で静かに蜂球をつくっていて、ぶんぶん飛び回るはちは一匹もいません!
つくづく、日本みつばちっておとなしい生き物なのだなーと感心。
西洋みつばちだったら、トラックに乗せて会場に連れてこられるだけで大騒ぎかも…。
取り出された巣蜜はこんな感じ。
日本みつばちは体が小さいので、六角形の巣房も西洋みつばちより小さいです。
巣蜜はそのまま食べられます。
うちの西洋みつばちの自然巣と比べると、巣が固いのか、口の中にガムみたいに残ります。(巣は主にみつろうでできています。)
巣にプロポリスも使う西洋みつばちの方が巣が固いので巣蜜を食べると口に残る、と書いてある本を見かけたことがありますが、むしろ逆のような…。
別のブースで試食させてもらった日本みつばちの巣蜜は口に残らなかったので、そういうのも群れによって違うのかもしれません。
はちみつ食べ比べコーナー。
日本みつばちの会の会員さんたち自慢の蜜がずらりと並びます。
産地も花もいろいろ。
そのため、どれも百花蜜ながら、蜜の色も味も驚くほど異なります。
傾向としては日本みつばちの蜜は酸味があって黒蜜のような風味があるものが多いです。でも、中にはかなりフルーティーなものもありました。
はちみつの醍醐味って、同じ「はちみつ」というくくりでも千差万別の味わいのバラエティーだと思います。
こうしてみると、日本みつばちもいいなあ~。
来年はうちにも日本みつばち来てくれるといいんだけど。
ところで、西洋みつばちで目下大問題になっているダニは、ミツバチヘギイタダニというダニですが、日本みつばちはグルーミングしてダニを落とす習性があるためこのダニには寄生されません。代わりにアカリンダニという別のダニが日本みつばち界では問題になっています。(逆に、西洋みつばちではアカリンダニの被害は聞きません。)
どこもダニに悩まされますねえ。
2019年スズメバチ対策まとめ
スズメバチとの闘いもあと少し!(あと1か月弱)
お盆以降ずーっとスズメバチ三昧だったので、ここらで少しまとめをば。
今年試したスズメバチ対策は、以下のとおり。(やれるだけのことは全部やりましたよ~。)
その1:長野式スズメバチ捕獲器
巣門前でミツバチを捕まえて飛び上がったオオスズメバチをとらえるトラップ。
たぶん養蜂家はみんなこれを巣箱につけています。
オオスズメバチ、キイロスズメバチ、アシナガバチなどが入ります。ガも入ります。たまにカエルやキリギリスも入ります。
オオスズメバチが生きたまま捕獲できるので、その後はちみつ漬けなどに利用するのに便利。
養蜂問屋から買いましたが(値段はそこそこします)、自作もできるようです。
お盆ごろに設置しますが、そのころは雄バチも結構入ります。(働きバチは小さいので網の目から出られます)
入ったハチが死んで溜まるとかなり臭いです。
その2:粘着テープ
オオスズメバチは、ピンチになるとSOSフェロモンを出して仲間を呼びます。
その習性を利用して、生け捕りにしたハチをネズミ捕り用粘着テープ(ホームセンターに売ってます)に1匹くっつけて置いておくと、仲間がどんどん集まってきて、どんどんくっついて、ものすごいことになる…という仕掛け。
写真では真っ黒になっていてグロイですが、これが普通です。
オオスズメバチには効果絶大。
最初の1匹を捕獲器または虫網で捕まえて生きたまま粘着テープにくっつける、というハードルさえ越えられれば、おすすめ度No.1です。
なお、仲間を呼ぶ習性がないキイロスズメバチには全く効果なし。
その3:ネット
刺さないと言われても、スズメバチがぶんぶん飛び回るところで作業をするのがどうしても怖いので、巣箱全部をネットで囲いました。
巣箱が少なければ有効です。
ただし費用はかかります。
ネットの網目は9mm。みつばちはまあ通れます。オオスズメバチは通れません。キイロスズメバチは通れるやつもいます。
オオスズメバチが群れで襲来して巣箱を乗っ取る、ということはこれで完全に防げると思います。
が、ちょっとした隙間が見つかったり、小さめのキイロスズメバチだったりすると中に入ってきます。(でも捕まえたみつばちを抱えて出ることはできない。)
また、スズメバチたちがネットの外を巡回しているので、通り抜けに手間取っているみつばちは捕獲されています。
わたし的には、スズメバチがいないところで内検作業ができるので、精神衛生上よいと思います。
が、これを見たKさんは、最初は「巣箱が少ないならこれもいいなあ」と言っていたものの、この状態で作業していたらみつばちにやたら刺されたので、 結局「囲ってしまうとみつばちが不機嫌になるからよくない」と言っていました…。
その4:ペットボトルトラップ
ペットボトルに、焼酎+酢+ジュース(+ブドウの皮)を混ぜた誘引液を入れたトラップ。
週に1回くらい取り替えます。
誘引液の配合は毎回適当ですが、けっこうスズメバチが入ります。(みつばちは入りません)
オオスズメバチも入ります。
夏場はカブトムシまで入ります(笑)。
コスパ抜群。
その5:虫網
侮ることなかれ。
キイロスズメバチ、オオスズメバチ、どちらもいけます。
オオスズメバチの方が的が大きくて動きが遅いので捕りやすいです。
これで捕らえたオオスズメバチは、はちみつ漬けにしたり、粘着トラップに付けたりします。
キイロスズメバチは捕ったら足で潰して、次を狙いますが、オオスズメバチは前述のとおり仲間を呼ぶので、捕ってもその場で潰してはいけません。離れたところで殺しましょう。
重要なのは、一回でしとめること。
Kさんは、これを失敗してオオスズメバチに刺されて病院行きになったそうです…。
リスクと隣り合わせですが、ゲーム的面白さもあります。
どの方法もそれぞれ長所短所あるので、複数種類を組み合わせて対策するのが重要みたいです。
なので、来年もおそらく全部やるでしょう…。
なお、私は自分でもスズメバチに対してやたら過剰に反応していると思いますが、多くの養蜂家は、オオスズメバチに巣箱を乗っ取られるのさえ防げれば、あとはスズメバチがぶんぶんしてても割と気にしません。
特にキイロスズメバチは、巣箱を乗っ取ることはなくみつばちを一匹ずつ捕まえていくだけなので、大した被害ではないとみなされ、ほぼ放置です。
スズメバチも、自分の巣を攻撃されると反撃してきますが、餌(=みつばち)を捕りに来ているときは基本的に人間を攻撃することはありません。
(虫網で直接攻撃した場合は反撃してくることがありますが。)
実際、養蜂やっている人たちにとって、秋の最大懸案事項はスズメバチではなくダニです。
ダニについてはまた今度。
フソ病検査
今日は年に一度のフソ病検査の日。
みつばちは「家畜」なので、法定伝染病にかかると保健所マターになります。
最近、豚コレラにかかった県内の養豚場の豚が一斉に殺処分されたというニュースが報道されましたが、みつばちのフソ病も、一旦かかるとその養蜂場のハチは全部焼却されるという重大な病気です。(しかも予防法は大してない…)
検査って何するんだろう?
何人来るんだろう?
私の手際の悪さを係の人たちにお見せするのやだなあ…
などなど、割と後ろ向きな気持ちで迎えた検査日です。
さて。
やってきたのは、家畜衛生課の方(獣医さん?)、市役所の職員さん、養蜂協会の支部長さん の3人です。
巣箱に案内して、2つの群(10群くらいあってもその中から2群見るだけらしい)の巣枠各1、2枚をざっと目視で確認して終わり、でした。
ほんの10分程度。
上伊那全体を数日かけて回るのですが、今日は駒ヶ根市内を2班に分かれて各10軒くらいずつ回るんだそう。ご苦労様です!
ところで、衛生課の方はちゃんと防護スーツをお召しでしたが、養蜂協会の支部長さん、面布なし&素手 でした…。
みつばちの世話をしているときに背後でクマが巣を食べていたこともあるそう(!!)。
つわものすぎる…。
私はといえば、数日前に刺されたところがこれまでになく腫れて、夜も寝られないくらいの痒みに苦しんでいるところなので、かなりおよび腰です。
やっぱりいい防護スーツが欲しいなあ…。
と、検索していたら、こんなの発見。
https://www.gizmodo.jp/2013/07/post_12698.html
フソ病探知犬!!
犬の可能性は無限大ですね。
産直でオオスズメバチの巣が売られていました
近くにグリーンファームという(一部で有名な)トンがった産直があります。
産直ながら、ヤギがいるわダチョウがいるわクマがいるわ、さらに骨董も売っていれば本屋もあるという、とってもカオスな空間。
去年の改築により、地面に無造作に散らばったヤギのフンを踏んだり、放し飼いのヤギに角で攻撃されたりということがなくなってしまい、ワイルドな魅力が半減・・・と思っていたのですが、久しぶりに行ってみたら、まだまだ健在にトンがっていましたよ!
リンゴやキノコにまじって農産物売り場にあったもの・・・
こっ、これは!
オオスズメバチの巣!!
でかいし!!
しかもハチいるし!!
生きてるし!!
(スマホで撮ったためボケボケですみません…)
イチゴやなんかの空き箱に入れてラップかけただけですよ!
生でオオスズメバチの巣の中が見られるとは!!
幼虫がうごめく様子が見られるなんて感激!
それを大人バチがかいがいしくお世話する様子も見られてさらに感激!
気になるので、近くにいたスタッフのおじさんを質問攻め。
―これ、売ってるんですか?
「売ってるよー。でも高いよー。ひと箱(巣板1、2枚)2万円くらいだよ。」
―ていうか何用ですか?食べるんですか?
「幼虫をね、そのままつまんで生で食べるとおいしいの。」
「炒めてもおいしいけどね。」
信州人がハチノコを食べるのは有名ですが、一般的に食べるのはクロスズメバチ(の幼虫)です。オオスズメバチも食べるとは知らなかった…。
でも見た感じ幼虫たちは丸っこくてプリップリでおいしいそうです。
―大人のハチはどうするんですか?
「焼酎漬けとかかなあ。好きな人は好きだから。でもこれ開けるのも命がけだけどね。」
―これ、毎年売ってるんですか?
「毎年売ってるねえ。で、毎年刺されて病院行く人がいるよー」
―え、出てくるんすか!
「ラップをね、かじって出てきちゃうの。一応店長が時々補修してるんだけど、マツタケが出てくるとそっちが忙しくてハチをかまってられないから、そのうち出てきて上をブンブン飛んでたりしてね。ははは。」
―!!
「刺されたら、オオスズメバチの焼酎漬けをぬると毒が中和されていいんだよ。」
さあ、オオスズメバチの巣が欲しい人は、グリーンファームへGO!